〈報告〉第3回◎台湾征服戦争から130年(5/31)
◎◎◎◎
「戦後80年・路上大学」(第3回)台湾征服戦争から130年
5月31日(土)19時〜20時30分(延長あり)
新宿駅東南口・大きな木の下
◎◎◎◎
取り急ぎのご報告(文責;植松青児)
嬉しい誤算続きでした。荒天(雨と風)、さらに「台湾」というテーマ設定なので少なめに準備していたのですが、前回を上回る50人近くに参加いただきました。そして、内容面でも。
一晩明けて、あらためて「企画してよかった」としみじみ感じています。
前半が植松、後半がゲストにお招きした加藤直樹さん(ともに自主講座「認識台湾」実行委員)で各30分、長めのレクチャーになったのですが、参加くださったみなさまが60分変わらず真剣な眼差しで聴いてくださいました。(雑踏感あふれる新宿の)路上というロケーションが集中力を高めるようにも感じました。
前半;植松青児プレゼン
※後日、プレゼンをzoomで録画し直して再アップ予定です。
後半;加藤直樹さんコメント
(「まーちゃん」さん撮影の録画です)
・植松のプレゼンの内容は「130年の(日本軍の)台湾征服戦争」と「わたしたち日本の市民は台湾の人々と対話しようとしているか」の2本柱にしました。実は、後者を加え、メインにおいたのは1週間前で、京都での自主講座「認識台湾」で呉密察さん。宮岡真央子さんの講演を先週聴講したあとです。一気にレジュメを書いて、加藤さんに送って、加藤さんに「自分はこういうプレゼンするので、加藤さんはコメントや深掘りお願いします」とお願いしました。
・予想を超えるところまで議論が深掘りされていって、自分でも驚きました。それは加藤さんが深掘りしてくださったからですが、「植民地主義暴力の歴史を知る」という次元にとどまらず、「植民地主義暴力の(事後的な)修復責任」という次元まで議論が向かいました。
・(日本の帝国主義/植民地主義は、東アジアの複数の地域に暴力を行使し、いわば東アジアを「複雑骨折」させてしまった(台湾・中国問題しかり、朝鮮・韓国問題しかり)、その修復(「修復的正義」のプロセス)も複雑なプロセスを、丁寧な対話が必要になる(複雑骨折の治療と同じで、粗雑な「修復」は新たな痛みや苦しみを引き起こす)、その複雑で繊細な対話や議論を引き受けない限り、わたしを含め日本人は「修復」の当事者になりえない……加藤さんの「複雑」というキーワードから、そういう議論へ深掘りすることができたと思います。
・1対1の加害/被害関係であるイスラエル/パレスチナ問題とは異なる複雑性があると思う、とわたしは発言したのですが、それは1時間前まではほとんど考えていなかったことでした。パレスチナ問題で頑張っている若い世代の方が目の前におられたから、そこまで考えが及んでいったと思います。
・参加してくださったかたが「ここでは、たどたどしくしか話せないことを話し合っていると思います。ですので、お互いに「たどだどしく話す」ことを尊重しあえたらいいなと思います」という発言がよかったと言ってくださった。そのコメント、本当に嬉しかったです。
脱植民地主義という問題を本気で考えたら、「たどたどしい」語り、それ以前に「たどたどしい」思考になっても不思議はないわけで、そのリアリティを共有できていることが、とても嬉しく感じました。